プロフィール
マッティ・レカッリオ(フィンランド) Matti RAEKALLIO
ピアノ部門 審査副委員長
1954年、フィンランドのヘルシンキ生まれ。母国でピアノを学び始める。英国のロンドンでマリア・クルツィオ=ディアモンドに、オーストリアのウィーン国立音楽大学でディーター・ウェーバーに師事し、ロシアのレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)音楽院で学ぶ。
1981年、カーネギーホールでアメリカデビュー。コンサートにおいて、ベートーヴェン、スクリャービン、プロコフィエフのピアノソナタのチクルスを成し遂げ、62曲のピアノ協奏曲を演奏した。CD録音は20枚ほど行っており、中でもプロコフィエフのピアノソナタ全集は高く評価されている。
ヘルシンキのシベリウス音楽院で30年間指導し、ストックホルム音楽大学や西ミシガン大学でも教授を務めた。2005年にはハノーファー音楽演劇大学、2007年にはジュリアード音楽院の教授に就任。2015年にニューヨークに居を定めるまでアメリカとヨーロッパを行き来した。現在もジュリアード音楽院で指導しながら、バード大学音楽院、オベリン音楽院でも非常勤教授を務める。
教え子の中には主要な国際ピアノコンクールの優勝者も多い。自身も頻繁に国際ピアノコンクールで審査委員を務め、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでマスタークラスを行っている。
シベリウス音楽院での博士課程(音楽学)では、ピアノ運指の歴史研究に焦点を当てていた。その後、国際研究チームの一員となり、認知心理学の観点からピアニストの指使いの選択についての研究を行う。デンマークのレオニー・ソニング財団奨学金を1980年に授与され、フィンランド政府の5年間のアーティスト奨学金を3度授与されている。
1998年から2000年のフィンランド文化研究協議会メンバー。2009年にはエストニア音楽アカデミーの名誉博士に任命された。