仙台国際音楽コンクール

Column&Review

第7回:クラシックソムリエが案内する Road to 仙台国際音楽コンクール

オーケストラの楽器とその役割を知ろう!

クラシックソムリエ 柴田 克彦

 大人数が並ぶオーケストラは誰もが気になる存在。コンクールでもコンチェルト(協奏曲)を競う際には不可欠です。でも、どんな楽器が、どのように並び、どんな役割を果たしているのか……など、今ひとつわからない方もいるのでは? そこで今回は、“今さら聞けない”オーケストラの中身をご紹介しましょう。

 

◇現代オーケストラの配置と編成

 

 そもそも何人いればオーケストラなのか? 実はきまりなどありません。 ただ、一般にイメージするオーケストラ(フル・オーケストラ)は、全員で80名くらい。あとは曲によって40名から150名ほどの範囲で増減します。また10数名から40名程度の編成は、しばしば「室内オーケストラ」と呼ばれます。

 使われる楽器をグループで分けると、「弦楽器」「木管楽器」「金管楽器」「打楽器」の4つ。前方から弦→木管→金管→打楽器と、音の小さい順に並んでいます(=客席から遠くに音の大きな楽器)。

 大枠の配置としては、第1・第2ヴァイオリンが向かって左手に並ぶ形と、両パートを左右に振り分けた「対向配置」の2パターンがあります。20世紀前半頃から前者が主流となりましたが、近年はまた後者が増えつつある状況。ただ、コンクールにおけるコンチェルト演奏では前者の配置が一般的です。

 指揮者はもちろん最前列中央で皆を束ね、コンチェルトなどのソリストは、指揮者の左横の客席寄りに位置するのが通例となっています。

 

【弦楽器】ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ

 最も人数が多い、オーケストラの中心的存在です。音色は全体にしなやかで柔らか。流麗に歌い、分厚いハーモニーを築きます。ヴァイオリンは第1と第2に分かれ、そのリーダーが、オーケストラのリーダーでもある「コンサートマスター」です。高音のヴァイオリンはメロディを奏でるケースが多く、中音のヴィオラは内声、低音のチェロとコントラバスは土台を形成し、時にはハープが彩りを添えます。

 また、そのときどきの第1ヴァイオリンの人数が、「16型」「14型」「12型」など、オーケストラのサイズを表わす呼称にもなっており、通常は第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ……と順次人数が減っていきます。

 

【木管楽器】フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット(バスーン)

 木製の管楽器(今は多くが金管のフルートも昔は木製でした)らしく、素朴で繊細な音色が持ち味。主にメロディを担当しつつ、音の多彩なブレンドに寄与します。高音のフルートは優美な花形、オーボエは繊細かつ明瞭で、演奏前のチューニングの際に基準音を吹きます。中音のクラリネットはまろやかな“渋めのスター”、低音のファゴットは朴訥なバイプレイヤー的存在です。

 ちなみに、木管の各楽器の人数は同数であることが多く、各楽器2本の場合は「2管編成」、3本の場合は「3管編成」など、オーケストラのサイズを表わす、もうひとつの基準にもなっています。

 

【金管楽器】ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバ

 金属製の管楽器で、「ブラス(=真鍮)」の名でもおなじみ。音色は華麗で音量も大きく、ここぞという場面で聴かせる輝かしいサウンドが特徴的です。高音のトランペットは特に華やかな“ヒーロー”的存在。柔らかなホルンは中音の要と木管との繋ぎ役を演じ、低音のトロンボーンとテューバは重厚なハーモニーでサウンド作りに貢献します。

 

【打楽器】ティンパニ、大太鼓、小太鼓、シンバル、トライアングル、シロフォン、マリンバ 他

 音楽に効果的なスパイスを加えるのが主な役割。大音響を奏でる際には特に威力を発揮します。アンサンブルを引き締め、厚みを加えるティンパニは、古くからオーケストラの主軸。大太鼓、小太鼓、シンバル等は効果音として活用され、シロフォン(木琴)等の鍵盤打楽器はメロディも担当します。あとは叩いて音が出れば何でもあり。

 オーケストラ公演を観賞する際には、このように各パートの配置や役割なども気をつけてみるとさらに演奏が楽しめるかもしれません。

 次回はオーケストラとソリストが共演するコンチェルトについて、詳しくご紹介します。