Sendai International Music Competition

中野 りなさんインタビュー(第8回ヴァイオリン部門優勝) | 仙台国際音楽コンクール公式サイト

インタビュー

中野 りなさんインタビュー(第8回ヴァイオリン部門優勝者)

音楽ライター:片桐 卓也

インタビュー日:2022年6月5日

ヴァイオリンを始めたきっかけは?

 ヴァイオリンを始めたのは3歳の時です。兄がヴァイオリンを習っていたので、自分も始めたいと言ったそうですが、あまりその時の記憶はありません。両親は音楽には関係のない家庭でした。8歳から仙川(東京)の「子供のための音楽教室」に通い始めて、次第に海外のマスタークラスなども受けるようになりました。小学校5年生の時から、モーツァルテウム音楽院(ザルツブルク)のアカデミーに参加して、ポール・ロチェック先生の指導を受けています。

バルトーク第2番を選んだ理由は?

 ファイナルで選んだバルトークの『ヴァイオリン協奏曲第2番』は、いま師事している辰巳先生の薦めで演奏するようになりました。日本音楽コンクールもそれで受けましたが、もう一段、バルトークが上手になれるようにと今回も選びました。そして、ファイナルとその翌日のガラ・コンサートでも演奏しましたが、ガラ・コンサートのほうが、やはり楽しく弾けたと思います。指揮の広上さんも演奏の途中で笑顔を見せてくれたので、自分もちょっと笑顔になりました。オーケストラと合わせて協奏曲を弾くということは、昨年(2021年)の日本音楽コンクールが初めてだったのですが、フルのオーケストラと共演する機会はまだ少ないと思います。
 バルトークを最初に勉強し始めた頃は、音の使い方が独特で、捉え方が難しい作品だなと思っていましたが、次第に好きになってきました。辰巳先生のアドヴァイスは、緊張しないで、もっと「のって」弾くこと、そして自分の音楽を伝えなさい、ということでしたが、今回のコンクールでは集中して演奏することができたと思います。日本で行われる国際コンクールで日本人として優勝することができたのは、とても嬉しかったです。

仙台国際音楽コンクール、仙台滞在はいかがでしたか。

 仙台を訪問するのは、今回が2度目でした。最初は音楽教室関連のコンサートで一度来たことがありました。今回はコンクールの期間が長く、またホテル滞在ということで、なかなか難しい面もあったのですが、母が一緒に来てくれて、仙台の美味しいものをいろいろと検索してくれたお陰で、気分転換ができました。仙台ではやはり牛タン、そして「えんどう」のトンカツが美味しかったです。ホテルではみんなが練習しているのがすごく聴こえてきて、あ、みんな一生懸命にやっていると思って、刺激になりました。
 仙台国際音楽コンクールは、私にとっては初めてのシニアの国際コンクールでした。協奏曲をたくさん弾かなければならないので、そのクオリティを揃えるという点に注意しながら、練習をしていました。セミファイナルで選んだメンデルスゾーンの協奏曲は深く勉強したことがなかったので、それをクオリティの高いものにするのが難しかったです。モーツァルトに関しては、本番ですごく緊張してしまって、あまりうまく行きませんでしたが、モーツァルトにふさわしい演奏スタイルはどんなものだろうと、モーツァルトの他の作品なども聴いてみながら、考えて行きました。

今後、演奏してみたい曲は?

 今後、協奏曲として演奏したいのはベートーヴェン、そしてチャイコフスキーです。チャイコフスキーもあまり演奏したことがないので、これから取り組んでみたい作品です。このコンクールの優勝の副賞としてリサイタルをさせていただけるのですが、今まであまりリサイタルをしたことがなく、レパートリーも少ないので、まだ何を弾くかは分かりません。ただ、ロマン派のソナタのレパートリー、例えばブラームスなどを勉強したいとは思っています。

ご自身の性格、音楽以外にお好きなことを教えてください

 自分の性格はポジティブで、あまり深く考えないところが良い点かもしれません。マイナスなことでも、それが後々良いことにつながるかなと思って、前向きに考える性格です。趣味としては、本を読むことが好きです。特に辻村深月さんの小説をよく読んでいます。そして、小さい頃からバレエを続けていることも、趣味のひとつと言えるかもしれません。休日もヴァイオリンを練習していることが多いのですが、食べることも好きなのでたまにカフェにいったりします。
 これからも研鑽を続けて、色々な作品を演奏できるような演奏家になって行きたいと思っています。

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